鞍骨城

鞍骨城

(出展:「戦国武田の城」 城郭から見た武田三代史 中田正光 著)

「天空の城」 海津外郭城砦群の指令塔

鞍骨城は「高白斎記」の中で出てくる清野氏の城である。
清野氏は寺尾氏とともに天文十九年(1550)に武田方に与しているが、
この時点で鞍骨城は武田方の城としての役目を果たすことになる。

鞍骨城は、海津城から直線距離にして2.5キロの位置にある。
この山頂からは、左に天城城、右手に竹山城・寺尾城、さらに金井山城と、
それぞれを見渡す位置を占め、司令塔としての役目を果たしていたと考えられる。
もしこの場所を占領されたりすると、その機能を停止し、海津城は自ら壊滅する。
これを防ぐために天城城という出城を設け、
これと一体になることで最悪の事態を免れようとしている。

海津城遠望 主郭

鞍骨城の本丸は東西30mほどの不整形をしている。
内部には虎口を南側に設け、やや桝形風に入る。
土塁は一辺だけに残り、その一部は櫓台となっている。
壁面には他の城よりもやや大き目の石積みが施され、
このことからも本格的な防御が加えられたと思われる。

石積み 石積み
石積み 石積み
inserted by FC2 system